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となり、我に勝つというは意をもって体に勝つことなり」やはり、自分にうちかっていく精神力が大事だと思う。競技力というのは、そういう言葉で置き換えられると思う。
石井先生は、強化に大変な努力をされている。埼玉は、教育委員会・体育協会との連携がとれているので、うまく強化できているので、各県により違うが参考にしてほしい。
菅井先生の提案の中で、「青少年の健全育成をめざして努力してきた」とあるが、まさにこれが、学校体育と部活動との関連性であると思う。社会体育への移行という話もあったが、日本の教育制度は素晴らしく、それが今日まで続いている。その中で小中学校は無償制度としてやっているが、社会体育へ移行すれば、必ず有償となる。部活動が、金のある子もない子も平等にできるというわけにはいかなくなる。その観点からも、学校に部活動は必要といえる。部活がなくなれば、中体連もなくなると思う。
まとまらないが、子どもらの運動欲求に我々はどう答えていくか。ただ強くするだけでなく、子どもらが、主体的に喜んで活動するものにしていかなければならないと思う。
太田先生 3人の先生方、今日的な課題に直面した立派な発表をありがとう。中体連の基礎基本を堅実なものに保つ中で、新しい時代に対応する競技力向上対策を中心に話を進めてきたように思う。みんなが真剣に考えていかなければならない内容であった。
工藤先生の発表では、中学校の部活動を考える時に、生涯スポーツなのか、競技スポーツなのかということが結果的には異質なものと考えるべきかもしれないが、中学校のスポーツ活動、スポーツ文化としては、両面が兼ね備わっているものであるという認識でいいのではないかと私は思う。部活動というのは生徒が主体的に選択し、個性を伸長し、仲間とたくましく生きる力を育てる場所である。そんな意味からいろんな部活動を通して子どもらが体験する中で生涯体育につながっていくものであったり、競技志向にむいていくものであったり、それは、子どもらが体験で積み重ねていって答えを出していくものである。ただ過度な練習や勝利至上主義にかたよらず、個々のいろんな考え方の生徒に、指導者自身が、気持ちを広げて対応していくことが大切だと思う。中学生時期にオリンピック選手を育てるという方向が決められるものではないし、そういう考え方をもつ子どもが生まれてくるというような広がりをもたせた指導であればよいと思う。調査結果より、専門じゃない教師が6割いるということだが、従来のように与えられたことだから、何がなんでもしなければならないという考え方では、組織はもたないと思う。先生方は学校教育活動の中での部活動という意識を強く持っている。今後は指導者の資質の向上対策や外部指導者にお願いする方向も考えなくてはならないし、活動時間の問題等も見直しをしていく必要がある。
徳島の発表は全県的に国体色の強い時期での話だった。普通の状態で考える中では、国体などの強化については、社会体育の方に軸足を移していく必要があるのではないかと思う。
滋賀の発表では、中体連という組織の中で競技力をどうとらえるかが大事だと思う。それが全県下の学校にきちんと伝わっていかなければならない。当然、指導者不足や学校のスリム化の中で指導者に過重負担がかかっているというような問題も解決していかなければならない。確かに社会体育へ放り出せばよいという考え方の教師も多いと思うが、中学校に部活動がなくなり、本当に燃えられるものは残るのかと思うので、何が不足で、何が過剰かを十分検討して、学校教育活動の中で分担する部分については、ど真剣に取り組んでいかなければならない。文部省調査にも、保護者98%教師94%が部活動の教育的意義は大きいと言っている。それは今も将来も変わらないと思う。しかし課題がたくさんある。教員の53%が移行を望んでいることから、教師の負担の多さを物語っているように思う。更に競技志向が、

 

 

 

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